抄録
本研究は,気になる子どもの事例検討を運営する際,その進行役が行う工夫や調整のプロセスや全体像を明らかにすることを目的とした。気になる子どもの事例検討を運営・進行した経験を有する保育者8名にインタビューを実施し,その逐語録を修正版グラウンデッド・セオリー(M-GTA)を用いて分析した。その結果進行役は,①事例検討で職員が活発に意見を交換しあうこと,②事例提供者が保育実践に前向きになることの2点を重視して,工夫や調整を行っていることがわかった。これらの工夫は,事例検討の実施前,実施中,実施後にそれぞれ行われるが,運営側の日常的な配慮がベースとなって効力が発揮されることが推察された。