抄録
本研究では,幼児教育に対する小学校教員の理解がどのようなメカニズムで促されるのかを検討した。大阪府内の小学校教員に対して質問紙調査を行ったところ,幼児教育に対する理解が深い教員ほど,幼児教育を小学校低学年以降にも通ずるものとして捉えやすいことが示された。また,こうした小学校低学年以降にも通ずる幼児教育の理解は,小学校教員が過去に経験した幼小連携・接続の取り組み段階と有意に関連していたが,幼小連携・接続による教員自身の学びに対する効果感を媒介して間接的に関連することも明らかになった。以上の結果を踏まえ,幼児教育に対する小学校教員の理解を深め,幼小連携・接続を活性化するための方策を議論した。