抄録
本研究は,若手保育者が外国にルーツのある子どもの発達的課題に気づき,障害診断に至るまでのプロセスを明らかにすると同時に,関係構築過程における保育者の葛藤を解明することを目的とした。2歳児との関係構築過程における自律的可視化とインタビューを隔月で行い,テーマ分析と発生の三層モデルを踏まえた複線径路等至性モデリングで分析した。その結果,重複的ニーズのある子どもとの関係構築過程で,①言語の違いによる意思疎通の難しさという先入観の裏側に発達的課題が潜在しやすく葛藤を誘発しやすいこと,②子どもとわかり合おうとする意識と適切な環境構成が言語以外の課題に注視させ,包摂的志向を促進することが示唆された。