抄録
本研究の目的は,アメリカ人在日宣教師であるA.L.ハウ(1852-1943)が日米の保育団体であるJapan Kindergarten Union(JKU)とInternational Kindergarten Union(IKU)の交流に果たした役割を明らかにすることを通して,保育における国際交流の意義を考察することにある。第一にハウ個人の継続的な交流活動によってIKUの支部としてJKUが設立されたことが解明された。第二に,その結果,IKUの国際交流が進展したことが明らかとなった。ハウは保育の質の向上を世界的に促進するため,保育者が広い視野で国際的かつ学術的な研究交流を行うことの必要性を示し,日米の保育者に互いに連携するよう啓蒙した。ハウは保育団体の国際交流事業における重要人物であり,日米保育の架け橋としての役割を超えて,実際の継続的な交流を生み出した主体であった。