運動疫学研究
Online ISSN : 2434-2017
Print ISSN : 1347-5827
原著
Beta-hydroxy-beta-methylbutyrateの摂取と筋力運動の併用が閉経後女性の骨格筋量および筋力に及ぼす効果に関する予備的研究:ランダム化クロスオーバー試験
若葉 京良大須賀 洋祐宮内 大治竹越 一博前田 清司田中 喜代次
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2020 年 22 巻 1 号 p. 22-34

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抄録

目的:本研究の目的は,beta-hydroxy-beta-methylbutyrate(HMB)摂取と筋力運動の併用が閉経後女性の骨格筋量および筋力に及ぼす影響を検討することとした。研究デザインは,オープン化・クロスオーバー・ランダム化比較試験とし,研究期間は52週間(20週間のウォッシュアウト期間を含む)とした。

方法:閉経後女性57名(60.2±6.0歳)をランダムに2 群(immediate intervention(II)群:29人,delayed intervention(DI)群:28人)に分けた。II群は最初の12週間にHMBと筋力運動による介入プログラムを提供した。その間,DI群は介入を行わず,最後の12週間にII群と同様の介入プログラムを提供した。なお,II群への介入終了後,20週間のウォッシュアウト期間を設けた。主要評価項目は四肢筋量,副次評価項目は最大筋力とした。

結果:対照条件と比べて,介入条件の四肢筋量の変化値に有意な差はみられなかったが(介入条件 +0.2±0.8 kg,対照条件+0.3±0.8 kg,P = 0.88),最大筋力の変化値に有意な差がみられた(チェストプレス:介入条件+2.5±4.5 kg,対照条件0.0±5.0 kg,P < 0.001,レッグカール:介入条件+2.5±5.0 kg,対照条件0.0±5.0 kg,P = 0.001,レッグエクステンション:介入条件+12.5±7.5 kg,対照条件+5.0± 12.5 kg,P = 0.001)。

結論:12週間にわたるHMBと筋力運動の併用は閉経後女性の筋力を向上させる可能性がある。

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© 2020 日本運動疫学会
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