リハビリテーション連携科学
Online ISSN : 2435-7111
Print ISSN : 1880-7348
原著
特別支援学校理療科生徒の坐骨神経鍼通電実習における正確な刺鍼部位決定に影響を及ぼす要因の分析
工藤 滋岡 愛子和田 恒彦
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キーワード: 視覚障害, 等分点, 触察, 姿勢, 方略
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2020 年 21 巻 1 号 p. 33-40

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抄録

【目的】坐骨神経鍼通電実習における教育のため, 2つの指標間の正確な等分点決定の過程に関与する要因について検討した. 姿勢および平面上の等分点決定で用いられた方略を要因として, 実際の鍼通電を想定した立体への刺鍼場面を実験的に設定し, 2要因が誤差距離に及ぼす影響を検討した. 【方法】理療科生徒10名に対して, 人体模型上の3つの部位に刺鍼する課題を提示し, 目標部位と刺鍼部位の誤差距離から, 姿勢と方略の影響を分析した. 【結果】対象者から遠い模型の斜面に当たる点では方略に関わらずY軸方向の誤差距離が有意に大きく, 模型上面に近い点では触運動群はX軸方向の誤差距離が有意に大きかった. 【結論】斜面の点では姿勢の影響が大きく, 上面に近い点では平面上の実験と同様の結果であった. そこから, 姿勢を調整して刺鍼面が相対的に上面に近づくようにし, 平面上の実験で得られた等分点の決定方法を用いるのが有効であると考えられた.

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© 2020 日本リハビリテーション連携科学学会
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