2018 年 16 巻 4 号 p. 391-394
東京においては、第二次世界大戦後の戦災復興計画において、線上の復興都市計画緑地が計画されたことが知られている。本研究の目的は、この復興都市計画緑地に求められた思想が実際の計画図上で実際に展開されているのかと、そうして展開された計画が実際にどの程度の都市公園など緑地の実現につながったのかを、特に水辺緑地帯・丘陵緑地帯・沿線緑地帯の構想に着目して、地理情報システムを用いた解析により明らかにすることである。分析の結果、復興都市計画緑地の一定程度がこうした緑地帯と判断しがたい場所に設定されていたことと、いくつかの線上の公園が復興都市計画緑地内の土地区画整理事業地で実現していた可能性が指摘出来た。