2018 年 17 巻 1 号 p. 34-40
近年,南海トラフ巨大地震とそれに伴う巨大な津波の発生が懸念されており,関東から九州にかけた広範囲の地域で甚大な被害が及ぶことが想定されている.過去に発生した東日本大震災や熊本地震では,原子力発電所や公共施設等の社会基盤施設が甚大な被害を受け,機能不全に陥ったことで様々な問題が発生した.本研究では,今後の施設立地や防災対策の一考察とすることを目的とし,南海トラフ巨大地震を中心とした津波浸水想定から社会基盤施設の浸水数・浸水深の把握と浸水想定区域の標高・海岸線からの距離等の地理的特徴の分析を行った.