本研究では、鉄道事業プロジェクトにおける計画段階からの市民参加によるバリアフリーの改善効果を主観的評価によって確認・検証した。研究対象は、阪急伊丹駅復興事業、福岡市地下鉄七隈線事業、仙台市地下鉄東西線事業である。初めに、文献調査と現地調査、鉄道事業者、行政機関、障害者団体等の関係者へのインタビュー調査を行った。そして、アンケート調査を、各地の障害者団体経由で移動制約者からの回答を収集し、アンケート会社を経由して健常者の回答を収集した。その結果、参加型で計画された鉄道駅・路線の方が通常の駅・路線よりも利便性の満足度が高いことが分かった。最も古い阪急伊丹駅の利便性の満足度が高いことから、しっかりと市民参加で計画された旅客施設の利便性は時代を経ても変わらないことを確認した。以上より、市民参加の効果が確認できた。