本研究は、観光案内所を立地・配置計画、建築計画、民間活用という都市施設計画の視点から捉え、歴史的展開のなかで、ターミナルを中心とした公的機関による拠点的な観光案内所の設置から、近年は観光立国推進のなかで、民間や基礎自治体の動きを取り込み、多様化・ネットワーク化する流れにあることを見出した。次に、それを担保する仕組みとして、東京都及び国が民間設置の観光案内所を指定・認定スキームを構築し、対象とする空間スケールに応じた配置の考え方や設備や・サービスの基準が示されていることを整理した。ただし、規模、アクセス、視認性など建築スケールでデザイン等の検討は未成熟であることも明らかとなった。さらに観光案内所の空間的・機能的特徴と設置者属性を調査した結果、観光案内所は主に、交通事業者が交通施設内部に設置するタイプ(キオスク型、ビジターセンター型)、行政が役所庁舎内に設置し観光協会が運営を行うタイプ、民間事業者が商業ビル内に設置するタイプを見出すことができた。