都市計画報告集
Online ISSN : 2436-4460
2次、1次医療圏における療養病床と精神科病床の分布の傾向分析
楠 拓也吉川 徹
著者情報
研究報告書・技術報告書 フリー

2020 年 18 巻 4 号 p. 363-368

詳細
抄録

本研究は、かかりつけ医制度導入を踏まえた日本の医療体制の将来の変化を見据えて、療養病床、精神科病床の分布の傾向を把握することを目的とした。このため、日本全国の1次医療圏と2次医療圏を対象として、AICを選択基準とした変数増減法重回帰分析を行った。目的変数は人口1万人当たりの一般病床数、療養病床数、精神科病床数として、説明変数は地域特性を表す27指標から変数選択を行ったものを用いた。結果として、療養病床や精神科病床の分布は、高齢者人口割合が高い地域かつ人口と生産年齢人口が少ない地域に偏在している傾向があった。ただし、療養病床の廃止を伴う新たな地域医療施設の配置は、コンパクトシティ政策を考慮し、長期的計画を確立し慎重に行わなければならない。

著者関連情報
© (c) 日本都市計画学会
前の記事 次の記事
feedback
Top