2022 年 20 巻 4 号 p. 438-442
全国的に都市の「スポンジ化」が課題となる中、民間事業者のアイデアを活用した低未利用な公的不動産の利活用が求められている。本研究は、公民連携による公的不動産の利活用を促進するための事業の実態と課題を明らかにし、今後の取り組みにおいて必要とされる方策について考察することを目的とした。まず、全都道府県のホームページを分析したところ、民間の利活用提案を随時受け付けるためのページがあるのは7道県であった。次に、福岡県を取りあげてケーススタディを行った。福岡県では、街なかを対象に県と各市町村の所有物件を掲載したデータベースを構築し、民間事業者が情報を得やすい工夫がみられた。一方で、実際の利活用では、都市計画部局だけでなく企業誘致部局との連携が課題であった。