都市計画報告集
Online ISSN : 2436-4460
「散歩」研究の拡がりは、都市デザイン・政策にどのような影響を与えたのか?
近藤 紀章松本 邦彦石原 凌河笹尾 和宏竹岡 寛文中野 優
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2022 年 20 巻 4 号 p. 448-455

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抄録

本論では、文献から「散歩」に関する研究の拡がりを明らかにするために、都市空間や都市デザインとの関係性の観点から95編の文献を整理した。散歩の定義や目的として、実社会の要請に応えるために「都市活動」が定着した時期が転換期といえる。また、研究の拡がりとしては、人を対象とした研究は蓄積されているものの、空間や文献を対象とした研究、時系列比較や国際比較の研究の蓄積が少ない。目的を持って歩くことが実際の都市空間に適用されることで、「いかに人を(より)歩かせるか」という計画の視点が組み込まれている。しかし、「人はなぜ無目的に歩くのか」という原論が求められた初期の方が、自由で大胆な発想が、散見された傾向がある。

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