2022 年 21 巻 2 号 p. 130-133
ニュージーランドの都市農村計画の中心的な根拠法である1991年資源管理法は、環境保全を重視した先進的な法律と評価されてきたが、現在、ニュージーランド政府によって同法の廃止と新法の制定に向けた動きが進められている。本研究の目的は、資源管理法が制定された背景とその特徴、これまでの法改正を明らかにすることである。資源管理法は、新自由主義的な思想に基づくニュー・パブリック・マネジメントと、国際的な環境意識の高揚を背景に制定されているため、土地利用による環境への悪影響を軽減することに重点を置いている。しかし、約30年にわたる運用の後半では、同法が十分に機能していないという認識の下、複雑性の解消や都市開発の効率化のために、様々な改正が行われてきた。