COVID-19の流行に伴う緊急事態宣言等の政策、三密回避等の感染対策や個人の感染に対する不安は、公共交通の忌避や自動車利用への転換などの交通行動の変化を引き起こした。本研究では自動車交通の変容とそれに伴う環境影響に着目し、COVID-19流行前から第1回緊急事態宣言中、その解除後にわたる3時点の人々の生活行動データを用いて自動車CO2排出量の変化を分析した。主体別・都市別の集計及びNewman & Kenworthyタイプの散布図の描画の結果、緊急事態宣言の解除後にはほぼすべての主体及び都市において流行前よりも自動車CO2排出量が増加していること、そして都市構造間の排出量の差が拡大していることが明らかになった。