都市計画報告集
Online ISSN : 2436-4460
21 巻, 3 号
都市計画報告集
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 泉山 塁威, 宇於﨑 勝也
    原稿種別: 研究論文
    2022 年 21 巻 3 号 p. 265-270
    発行日: 2022/12/08
    公開日: 2022/12/08
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    本研究では、都心と駅をつなぐ空間であるデッキに、イベントに利用できる空間があるかを把握するために、駅前広場にデッキがあるか、また、それが線状デッキか面状デッキかを判断した。さらに、面状デッキに着目し、デッキ上の空間を分析した。そして、広場型デッキに着目し、デッキ運営の特徴や課題を明らかにした。

  • 自治体へのアンケート調査を通じて
    永野 聡, 岡本 肇, 臼井 直之
    原稿種別: 研究論文
    2022 年 21 巻 3 号 p. 271-277
    発行日: 2022/12/08
    公開日: 2022/12/08
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    本研究では、陶磁器産業地域の自治体が、その特性を生かした地域づくりを実現するための政策・計画・事業・指導者育成の実態と課題を明らかにした。その結果、多くの自治体が陶磁器産業を地域のまちづくりの重要な資源として認識しながらも、効果的な活用ができていないことがわかった。また、産業継承に課題を抱える自治体も多い一方で、地域振興や観光施策の目玉として窯業が認識されている自治体も多く存在した。

  • 小規模神社に着目して
    佐下橋 あゆみ, 押田 佳子
    原稿種別: 研究論文
    2022 年 21 巻 3 号 p. 278-285
    発行日: 2022/12/08
    公開日: 2022/12/08
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    本研究では、江戸期より多くの神社が位置し、かつ近代以降に急速に都市化が進行した東京都心三区の小規模神社を対象に、敷地面積が境内空間配置や祭具等の境内構成要素に与える影響について調査した。その結果、境内面積10㎡以上の神社であれば、境内構成要素を概ね満たすため、狭小ながらも最低限の神社としての格を保つことが確認された。一方、境内面積3㎡未満において設置できる境内構成要素は、外観がかろうじて神社であると判別できる程度であると確認された。

  • 全国データを用いた記述疫学研究
    樋野 公宏, 塩﨑 洸, 井上 茂, 菊池 宏幸, 福島 教照, 天笠 志保, 埴淵 知哉, 中谷 友樹
    原稿種別: 研究論文
    2022 年 21 巻 3 号 p. 286-289
    発行日: 2022/12/08
    公開日: 2022/12/08
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    身体活動量には地域差が知られているが、都市の特性を考慮した大規模なデータは限られている。本研究では各都市で用いられる交通手段の割合と、目的別歩行時間および総歩行時間の平均値との関係を記述した。平成27年全国都市交通特性調査が実施された70都市の住民を対象に、2021年12月にオンライン調査を実施した。分析対象者数は28,449名(男性50.5%、49.6±15.6歳)である。代表交通手段のうち、鉄道の構成比が平均総歩行時間と最も強く相関した。つまり、「鉄道利用の多さ」という都市特性は住民の平均総歩行時間を決める指標として重要であり、生活全般での歩行機会の多さと関連していると考えられる。一方、自動車(運転)の構成比は、散歩、通勤/通学、買い物の目的別平均歩行時間と強い負の相関を示した。

  • 第1回緊急事態宣言を経た3時点比較より
    石橋 澄子, 大平 航己, 川合 春平, 谷口 守
    原稿種別: 研究論文
    2022 年 21 巻 3 号 p. 290-296
    発行日: 2022/12/08
    公開日: 2022/12/08
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    COVID-19の流行に伴う緊急事態宣言等の政策、三密回避等の感染対策や個人の感染に対する不安は、公共交通の忌避や自動車利用への転換などの交通行動の変化を引き起こした。本研究では自動車交通の変容とそれに伴う環境影響に着目し、COVID-19流行前から第1回緊急事態宣言中、その解除後にわたる3時点の人々の生活行動データを用いて自動車CO2排出量の変化を分析した。主体別・都市別の集計及びNewman & Kenworthyタイプの散布図の描画の結果、緊急事態宣言の解除後にはほぼすべての主体及び都市において流行前よりも自動車CO2排出量が増加していること、そして都市構造間の排出量の差が拡大していることが明らかになった。

  • 機械学習時におけるタグ付けの判断基準づくりに向けて
    萩原 和
    原稿種別: 研究論文
    2022 年 21 巻 3 号 p. 297-303
    発行日: 2022/12/08
    公開日: 2022/12/08
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    本研究では、機械学習を想定した景観まちづくりの試論として、建物を主たる対象とした画像データをタグ付けする際の判断基準づくりを検証した。 まず、建築関連分野の研究レビューを行うとともに、次いで機械学習で使用する画像データの整理手法の体系化を試みた。 結論として、既存の研究蓄積に基づく画像データの分節化や模式化はタグ付けの判断基準として活用可能であることが示唆された。 その一方で、整理された各タグをそのまま機械学習に反映し運用したとしても、画像解像度や画像のゆがみなどの諸事情でうまく学習されないことも危惧された。 この点に関しては筆者の進めてきた以前の研究結果で見出された課題である。 ただし、判定率が下がった理由が、細分化した分類によるとしても、追跡可能な小分類のタグをメタデータ内に付与することは意味があるだろう。例えば、判定精度を高めるために画像データの仕分けを大分類として統合したとしても、状況にあわせて小分類に復元することが可能だからである。 今後は、機械学習の実践の中でタグ付けの良し悪しを試行錯誤しながら、その妥当性について更に検証する必要があろう。

  • 伊豆の国市伊豆長岡地域を対象にして
    塩濱 宏己, 野原 卓
    原稿種別: 研究論文
    2022 年 21 巻 3 号 p. 304-307
    発行日: 2022/12/08
    公開日: 2022/12/08
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    近年人口減少による地域の持続可能性が課題になる中、持続可能な都市形態としてコンパクトプラスネットワークのまちづくりが進められ、街のコンパクト化に向けた拠点エリアの形成が図られている。豊かな拠点エリアの形成には、施設の集積、人口、多様な交流が必要で、そのためには地方小都市では、地域資源の重ね合わせが必要である。伊豆長岡地域では人口減少や旅館の撤退が見られるが、旅館や基幹病院等の地域資源があり、交流イベントがあり、豊かな拠点エリアの形成可能性がある。施設の集積と、人口分布を見てみると、必ずしもそれぞれの集積エリアが一致しないが、小バスターミナルである温泉駅周辺では住民以外にも、多くの来街者がいることがわかった。多様な交流という観点で見ると、アンケート調査より、住民と病院及び旅館従業員の欲しい施設に共通点があること、3属性とも旅館の利用に関心があること、交流イベントへの期待が高いことがわかり、これらを満たすことで、地域資源が重ね合わせることができ、豊かな拠点の創出の可能性があると考えられる。

  • 2016年イタリア中部地震と2011年東日本大震災の事例より
    イヴァン アレグランテ, 柏崎 梢
    原稿種別: 研究論文
    2022 年 21 巻 3 号 p. 308-311
    発行日: 2022/12/08
    公開日: 2022/12/08
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    災害大国であるイタリアと日本は、近年の大規模震災を経てそれぞれ復興を推し進めている。本稿は被災した地域の経済活動の復興に着目し、特に仮設商店街の運用においてそれぞれ生じている課題を、法制度を整理しながら比較分析する。イタリアにおいては、法制度に基づき仮設商店街への移動が自治体内に制限されたことにより、地域特有の個人事業の保護や生活面での安定を比較的保つものの、店舗そのものの不足や設備の不備が露呈し、経済活動面に多くの支障をきたしている。一方日本では経済活動の再開を優先し仮設商店街の建設および移動が早期に進んだが、もとの土地を離れた場合や急速な環境の変化による生活面やメンタル面での障害が長期的な課題として指摘された。双方の経験に基づき、被災者のウェルビーングに配慮した仮設商店街運用の重要性が示された。

  • 西坂 涼, 中村 満里奈, 古谷 勝則
    原稿種別: 研究論文
    2022 年 21 巻 3 号 p. 312-314
    発行日: 2022/12/08
    公開日: 2022/12/08
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    東日本大震災について教訓等を伝える活動をしている団体を調査して、岩手県、宮城県、福島県の75団体を抽出した。 これらの団体の属性、活動内容、その組み合わせなどを明らかにした。組織の属性は、主に観光協会や展示施設などの半公共団体、観光産業、市民の 3 タイプに分けられ、それぞれ約3割を占めていた。 活動内容は、現地視察、講話等9種類となった。 活動の種類別に組織の属性をみると、展示施設が展示以外にも多様な活動を行っていることや、市民が参加者の活動要求に柔軟に対応している可能性等が示された。

  • 鎌田 玲香, 円山 琢也
    原稿種別: 研究論文
    2022 年 21 巻 3 号 p. 315-320
    発行日: 2022/12/08
    公開日: 2022/12/08
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    新型コロナウィルス感染症による人々の行動変化の分析は,今後のパンデミック対策の立案に有用となる.先行研究では「行動弾性図」を利用して,この行動変化を分析した例がある.しかし,その研究は紙面調査に基づいており,より詳細な時空間単位での行動弾性図を利用した分析は不十分である.本研究はモバイル空間統計を利用して,中国九州地方の6つの繁華街の夜間の滞在人口の新型コロナによる変化を,行動弾性図を利用して比較分析する.女性や15-19歳の若年層の滞在人口が大きく減少していることが確認された.また,20代の減少率は天神が博多よりも大きいが,30代以上は博多が天神よりも大きいことなど地区による変化の特徴も確認された.

  • 鈴木 舞衣, 薬袋 奈美子
    原稿種別: 研究論文
    2022 年 21 巻 3 号 p. 321-327
    発行日: 2022/12/08
    公開日: 2022/12/08
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    COVID-19の世界的な流行によって、人々の行動・生活は制限を余儀なくされた。人と人との接触が最低限に抑えられ、外遊びを取り巻く環境も大きく変化した。本研究では、パンデミックが外遊びに与えた影響を明らかにすることを目的として、遊び方、遊ぶ場所の変化を都心と郊外に分けて調査した。その結果、COVID-19の流行中には都心・郊外ともに活発な遊び方が減少し、その場で行える遊び方が選ばれる様になったことがわかった。また、公園で遊ぶ割合が減少し、道路が増加する傾向にあった。活発な遊びが減少していることからも、道路などの近所の人のみが集まる小規模な場所で遊ぶように変化した可能性が考えられる。

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