都市計画報告集
Online ISSN : 2436-4460
マカオ内港地区における洪水被害軽減デザインの提案と対策についての考察
鄭 鍵鑫加藤 禎久
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2023 年 21 巻 4 号 p. 368-372

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抄録

世界遺産のマカオ歴史地区に隣接するマカオ内港地区は、近年、豪雨と台風などによる洪水被害が深刻である。本稿では、マカオ一帯の洪水対策について提案する。洪水対策は、ハードとソフト対策に分別されるが、本稿では、都市計画やインフラ整備などのハード対策に焦点を当てる。まず、中国で主流のグリーンインフラ概念である「スポンジシティー」について、特に洪水災害の防止・軽減を目的とした先行研究をレビューした。次に、マカオ内港地区の洪水原因を分析し、マカオ歴史地区への影響も分析した。その結果、洪水の原因は、地形的な原因、天文潮や高潮などの気象現象、排水施設の不備の3つに大別されることがわかった。都市計画の提案では、スポンジシティーの概念を用いて、中国の珠海とマカオ内港地区周辺における洪水被害軽減のための都市計画・デザイン案を提案した。

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© (c) 日本都市計画学会
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