近年では、夜間景観の重要性が高まっているが、十分な制度や運用実績がある自治体は少ない。本研究の目的は、夜間景観計画のない松江市における夜間景観の実態を調査・分類し、その特徴を把握することで、今後の夜間景観のあり方を考察することである。巡回調査の結果と松江市が「水の都」であることを踏まえ、水辺の夜景に着目することとした。また、本研究では松江市内に数多く存在する水辺空間のうち、松江城周辺地区を調査対象区域として選定した。この地区の夜間と昼間の歩行実験を比較することで、夜間景観では「町並み」が良好であると評価され、「水辺」が重要であることが明らかになった。また、本対象エリアを6つのエリアに分割し、エリアごとの分析を行ない、今後の夜景の形成について検討した。