都市計画報告集
Online ISSN : 2436-4460
四国地方における国立大学及びその旧制前身校による旧軍施設の転用について
今村 洋一
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2024 年 23 巻 3 号 p. 398-

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抄録

本研究では、四国地方の国立大学(徳島大学、香川大学、愛媛大学、高知大学)を対象に、旧軍施設の転用実態を整理する。罹災した学校の多くは、旧軍施設の使用を希望しており、実際に使用できた学校も多かった。各県の国立大学4校は、いずれも旧制前身校が旧軍施設に移転し、新制移行後も大学キャンパスとして使用し、香川大学以外は、現在まで使用し続けている。現在、愛媛大学と高知大学では、旧軍用地を転用した校地がメインキャンパスとなっているほか、徳島大学では医・歯・薬の各学部と附属病院のある大規模なキャンパスとなっている。このように、旧制前身校と旧軍施設が、県庁所在地やその近郊にあった徳島、愛媛、高知の3県においては、罹災校舎の代替だけでなく、新制国立大学のキャンパス用地として、旧軍施設の果たした役割は大きいと言える。

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