都市計画報告集
Online ISSN : 2436-4460
都市におけるこどものあそび環境とその34年間の変動の考察
ミュンヘン市開発住宅地の再調査から
橋本 みなみ三輪 律江
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2025 年 23 巻 4 号 p. 661-

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抄録

本研究は、ノイペルラッハ地区のグルンドシューレ学区におけるあそび環境を、34年前の国際比較研究と照らし合わせて再調査した。42名のこどもを対象にアンケート調査を実施し、定量的手法を用いてあそび環境の変化を分析した。その結果、平均あそび時間は1.33時間減少し、家庭や学校など限定的な空間での遊びが増加していることが明らかとなった。地区内の自然環境は維持され、大きな空間的変化は見られなかったが、戸外遊びの機会は大幅に減少していた。一方で、室内遊びの機会は増加したものの、あそび方法の分析からは、依然として戸外遊びへの支持が強いことが示された。本研究は、都市空間においてこどもの遊びに対する制約が生まれている現状を明らかにし、都市計画における重要な課題として指摘する。

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