2001 年 28 巻 7 号 p. 325-328
本研究の目的は,幼児期から学童期における子どもの片脚立位時間の発達過程が線形変化であるか,非線形変化であるかを明らかにすることである。対象は18ヵ月から128ヵ月までの健康な子ども231名である。開眼時および閉眼時の2条件で片脚立位時間を計測した。回帰分析を用いて月齢と片脚立位時間の関係を一次関数式,二次関数式,指数関数式,ロジスティック関数式に表し,決定係数から適合性を判断した。結果から,開眼時および閉眼時片脚立位時間ともに,一次関数よりも二次関数,指数関数,ロジスティック関数の係数が高かった。特に,指数関数,ロジスティック関数が高い係数を示したが,開眼時の値においては月齢幅を成人までひろげるとロジスティック関数の適合性が高くなることが推察された。本研究結果から,子どもの片脚立位保持の発達過程は線形変化ではなく,非線形変化であることが示唆された。