これまで、日本の創業者企業については、主に、有名創業経営者に分析の光が当てられることが多かった。しかし、創業者企業でも、創業者はいずれ経営から退き、サラリーマン役員が経営への影響力を高めたはずである。にもかかわらず、創業者企業のサラリーマン取締役についてはほとんど研究がなされてこなかった。こうした問題意識から、本論文では、戦後日本の創業者企業を代表するパナソニックとソニーを取り上げ、1950年代から2010年代までの取締役の属性の変化を実証的に分析した。なお、代表的な経営者企業である日立の取締役の属性との比較分析も行った。
本論文の分析によって、両社が経営者企業に移行した時期から、役員属性にどのような変化があったかが明らかにされ、さらに、両社の取締役間の共通点と相違点、両社の取締役と日立の取締役の共通点及び相違点が解明された。