組織は哲学の主体となりうる。伝統的な意味での哲学が、個人による知的な問いかけを行うのに対し、本稿では、組織が哲学を構築し、その内容を言語化しうることを主張する。組織は知識を創造し、組織学習、組織文化、組織行動に影響を与える。組織の規模、組織規範を再構築するうえでも、組織哲学が必要となる。組織を重要な分析単位とする学問領域には、政治学、経営学、法学、心理学、経済学、社会学があり、組織哲学の考察を通じて学際的な研究が構築されうる。組織の構成要員としてAI(人工知能)が加わる時代を迎え、人間を個人として捉えた哲学だけではなく、組織を主体とする哲学が新たに構築されるべきである。