理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
研究論文
片麻痺を伴う脳血管障害患者における脈波伝播速度と身体活動量の関連性について
村上 雅仁加藤 順一高橋 健太郎前田 慶明山本 千恵子細川 晃代永田 安雄古川 宏
著者情報
ジャーナル フリー

2005 年 20 巻 2 号 p. 155-157

詳細
抄録

片麻痺を伴う脳血管障害患者200例(男性146例, 女性54例:61±11歳)を対象に,麻痺側と非麻痺側の脈波伝播速度を測定し,運動麻痺が脈波伝播速度に及ぼす影響をみるとともに,機能的自立度評価法(FIM: functional independence measure)による身体活動量との関連について検討した。麻痺側の上腕-足首間脈波伝播速度は非麻痺側と比較して有意に高値を示したが(p<0.0001),脳出血と脳梗塞による病型別および左右麻痺側別では有意差を認めなかった。麻痺側の上腕-足首間脈波伝播速度は年齢と有意に正相関を示し(r=0.56,p<0.05),FIMと負相関を認めた(r=-0.29)。これらの結果より,片麻痺を伴う脳血管障害患者の麻痺側では,非麻痺側と比較して血管の伸展性が低下しているだけでなく,加齢および運動麻痺により身体活動量が低いほど,動脈スティフネスの低下と関連していることが示唆された。

著者関連情報
© 2005 by the Society of Physical Therapy Science
前の記事 次の記事
feedback
Top