2006 年 21 巻 2 号 p. 157-161
健常な成人男性5例(29.0±5.9歳)の体脂肪率を水中体重秤量法(under water weighing: UWW),空気置換法(air displacement plethysmograph: ADP),および多周波数インピーダンス法(multiple-frequency bioelectrical impedance analysis: MFBIA)を用いて測定した。連続10回の測定値の変動係数を用いて3種の測定法の信頼性について検討した。体脂肪率の平均値, 最大変動係数および変動幅はMFBIAがUWWおよびADPと比較してやや高い傾向にあったが有意差は認められなかった。BMIとMFBIAの変動係数との関係には正の相関(r=0.993, p<0.001)があった。これらの結果から,ADPとMFBIAは共に簡便で有用な体脂肪率測定法であるが,MFBIAでは肥満傾向のある対象者の場合は測定値にばらつきがみられることが推測された。従って,対象者の体格については更に検討する必要がある。