2006 年 21 巻 3 号 p. 221-225
本研究では,コミュニティにおける通所リハ利用者,老健入所者およびその他の高齢者の運動機能の相違を分析し,要介護高齢者の在宅生活支援について検討した。運動機能評価は10 m全力歩行時間,最大一歩幅,踏み台昇降回数,立ち上がり回数,片脚立位時間,バランスボード上の立位保持能力,長座位体前屈の7項目で行なった。結果,運動機能評価は,長座位体前屈以外の6項目でその他の高齢者よりも通所リハ利用者,老健入所者が有意に低値であった(それぞれP<0.01)。また,多項ロジスティック回帰分析では,10 m全力歩行時間が有意であった(P<0.01)。運動能力の維持・改善が在宅生活を支援していく上で重要であろうと考えられた。