理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
研究論文
臨床的体幹機能検査(FACT)の開発と信頼性
奥田 裕荻野 禎子小澤 佑介原田 慎一江連 亜弥内山 靖
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 21 巻 4 号 p. 357-362

詳細
抄録

臨床的体幹機能検査(FACT: Functional Assessment for Control of Trunk)を開発し,信頼性を明らかにすることを目的とした。FACTは体幹にかかわるパフォーマンスの可否を判定するもので,10項目20点満点で構成されている。脳卒中者23例を対象として,理学療法士5名でペアを作り,別々にFACTを実施した。検者間信頼性について,合計点では級内相関係数(2,1),項目毎の合致率は%と κ係数を用いて検討した。内的整合性はクロンバックの α係数を用いた。合計点は検者間で高い信頼性を認めた(ICC(2,1)=0.96)。項目毎では87~100%の一致率が示され, κ係数は0.62~1で臨床導入が可能な信頼性を有することが示された。また,クロンバックの αは0.81であった。FACTは体幹機能をパフォーマンスによる得点尺度で捉えることができ,治療指向的な検査法の一つとして臨床,研究両分野での適用が期待される。

著者関連情報
© 2006 by the Society of Physical Therapy Science
前の記事 次の記事
feedback
Top