抄録
関節運動学的アプローチ-博田法は徒手的疼痛治療の他に運動療法技術としての役割も存在する。その一手技に抵抗構成運動があり,本研究では中枢神経疾患の既往のない高齢者の両膝関節へ本手技のみを施し,アプローチ施行前後の動的バランス能力の変化について調べた。被験者は,歩行自立レベルの高齢者20名とし,抵抗構成運動を施行する群(平均年齢77歳)と抵抗構成運動を施行しない群(平均年齢76歳)にカードを用いて各10名ずつ割り付けた。動的バランス能力は,Timed Up & Go Testを用いて評価した。結果,抵抗構成運動を施行した群のアプローチ施行後のTUG値が有意に減少し(p<0.05),本手技が動的バランス能力の向上に有用である可能性が示された。臨床では,抵抗構成運動が動的バランス能力向上に対する一治療法として提案できる。