理学療法科学
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Print ISSN : 1341-1667
原著
筋硬度の定量化ならびに筋硬結における筋疼痛と筋硬度との関連性
古後 晴基黒澤 和生長谷川 敦子有賀 透仁秋吉 祐一
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2010 年 25 巻 1 号 p. 41-44

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抄録

〔目的〕研究1は健常者の筋硬度を定量化し性差を検証することである。研究2は筋硬結を有する筋・筋膜痛症候群(Myofascial Pain Syndrome:以下MPS)において,筋疼痛と筋硬度との関連性を明らかにすることである。〔対象〕研究1では20歳代健常者52名とした。研究2では,病院受診者で画像検査・神経学的検査所見に異常がなく,慢性の腰痛を訴え最長筋に筋硬結を有する者44名とした。〔方法〕研究1では,最長筋,僧帽筋,大菱形筋の筋硬度を筋硬度計にて測定した。筋硬度の性差をt検定にて検証した。研究2では,筋硬度は筋硬度計にて測定し,筋疼痛は数値的評価スケール1)(numerical rating scale:以下NRS)にて測定した。筋疼痛と筋硬度との関連性をPearsonの相関係数にて検証した。〔結果〕研究1では,僧帽筋において,女性は男性と比較して有意に高い値を示したが,最長筋と大菱形筋においては,有意差は見られなかった。研究2では,筋硬結の筋疼痛と筋硬度との相関関係は弱かった。〔結語〕僧帽筋において,女性は男性と比較して筋硬度が高いことが分かった。筋硬結を有するMPSにおいて,筋疼痛の程度は筋硬度の程度に影響されないことが分かった。

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© 2010 by the Society of Physical Therapy Science
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