2012 年 27 巻 1 号 p. 37-40
〔目的〕デスクワークにおいて頻回に行われる動作のひとつである頸椎の回旋に対し,姿勢の非対称性としての肩峰の高低差が及ぼす影響を検討した.〔対象〕健常な成人男性13名とした.〔方法〕計測機器は超音波方式3次元動作解析システムを用いた.正中位を基準にして右回旋位と左回旋位における頸椎および胸椎の棘突起と肩甲骨の移動距離と,肩峰の高低差との関連をPearsonの相関係数により検討した.〔結果〕右回旋位では下位頸椎および胸椎の棘突起と肩甲骨の移動は右肩峰が下制しているものほど左方向へ移動した.一方,左回旋位では胸椎の棘突起の移動は右肩峰が挙上しているものほど右方向へ移動した.〔結語〕肩峰の高低差は頸椎回旋に影響を及ぼし下制側へ頸椎や胸椎が回旋した.