2013 年 28 巻 4 号 p. 481-486
〔目的〕保存期慢性腎臓病(CKD)患者の運動の関心度や身体活動がQOLに影響を及ぼすかを検討することである.〔対象〕保存期CKD患者74症例.〔方法〕年齢,性別,就労,身体活動量(IPAC),QOL(SF-36),運動の関心度,腎機能を調査し,各項目との関連性について検討した.運動の関心度から運動実施群と非実施群及び運動基準2006に基づき高身体活動群と低身体活動群の2群に別け,年齢,性別,就労,身体活動量,腎機能,QOLを比較検討した.〔結果〕身体活動量,運動の関心度とQOLに有意な相関を認めなかった.一方,高身体活動群が年齢及び精神的側面QOLで有意に高値を示した.〔結語〕保存期CKD患者において,高い身体活動を維持することにより,QOLの精神面に影響を与えることが示唆された.