理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
28 巻 , 4 号
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原 著
  • 徳田 光紀, 田平 一行, 増田 崇, 西和田 敬, 庄本 康治
    2013 年 28 巻 4 号 p. 415-421
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/10/08
    ジャーナル フリー
    〔目的〕腹部外科手術後症例に対する経皮的電気刺激治療(TENS)の疼痛の程度,肺活量(VC),咳嗽時最大呼気流量(CPF)への影響を検討すること.〔対象〕腹部外科手術後症例35名とした.〔方法〕コントロール群,プラセボ群,TENS群の3群に無作為に割り付けられた対象者に,各介入を術後1日目から3日目まで1日60分ずつ実施した.術前にVC,CPF,術後3日目に介入前,中,後に疼痛の程度とVC,CPFを評価した.〔結果〕TENS群ではコントロール群やプラセボ群よりも,介入中と介入後で有意な疼痛軽減とVC,CPFの改善を認めた.特にTENS介入中では,疼痛軽減とVCおよびCPFの改善の程度が顕著であった.〔結語〕腹部外科手術後症例に対するTENSは,鎮痛およびVCとCPFの改善に効果的に作用する.
  • 鈴木 学, 加藤 仁志, 仲保 徹, 木村 朗
    2013 年 28 巻 4 号 p. 423-427
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/10/08
    ジャーナル フリー
    〔目的〕PBLテュートリアルに対する好感度および取り組み状況に関する各項目間関係および潜在的な共通因子の影響について検討した.〔対象〕4年制大学理学療法学科の3年生56名とした.〔方法〕PBLテュートリアル実施後,好感度と取り組み状況に関するアンケートを実施した.〔結果〕好感度では学習のしやすさは他の全項目との間に,取り組み状況ではグループ討論での各作業の間に有意に高い相関がみられた.好感度には2つ,取り組み状況には4つの共通因子がみられ,累積寄与率は50%前後であった.〔結語〕PBLの好感度と取り組み状況は互いに関係している部分が多く,臨床で必要な能力が関係していることが示唆される.
  • 高林 知也, 久保 雅義, 徳永 由太
    2013 年 28 巻 4 号 p. 429-433
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/10/08
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究は,筋電図情報を取り入れた最適化手法(EAO)を用いて階段昇段時の下肢筋張力を推定及びその妥当性を検討し,膝関節間力を算出することを目的とした.〔対象〕健常成人男性6名とした.〔方法〕EAOを用いて,階段昇段時の筋張力を推定した.推定された筋張力を基に,膝関節間力を算出した.〔結果〕推定された筋張力は筋電図波形と高い相関関係を示した.膝関節間力は立脚期で最大となり,一足一段歩行では39.4±3.3 N/kg,二足一段歩行は17.4±4.5 N/kgであった.〔結語〕本研究で用いたEAOは,ダイナミックな動作において妥当性のある筋張力の推定が可能であることが示唆された.
  • 内藤 幾愛, 斉藤 秀之, 柳 久子, 矢野 博明, 長澤 俊郎, 小関 迪
    2013 年 28 巻 4 号 p. 435-440
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/10/08
    ジャーナル フリー
    〔目的〕歩行様式の違いによって,脳内血液酸素動態が異なるかどうかを検討することとした.〔対象〕健常成人70人を対象とした.〔方法〕脳内血液酸素動態は機能的近赤外分光法を用いて測定した.脳の各領域での脳賦活量をトレッドミル上での肢位と向きの異なる立位前進,立位後進,膝立ち位前進,膝立ち位後進の4課題間で比較した.〔結果〕右前頭前野,右運動前野,補足運動野は,前進よりも後進歩行で有意に高い賦活を認めた.また,左感覚運動関連領野,左体性感覚野は,立位よりも膝立ち位で有意に高い賦活を認めた.〔結語〕進行方向と姿位の違いによって,脳の賦活パターンが異なることから,膝立ち位あるいは後進歩行の動作の持つ治療効果が期待される.
  • 井戸 尚則, 渡辺 将弘, 川田 尚吾, 足立 将秀, 江西 一成
    2013 年 28 巻 4 号 p. 441-445
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/10/08
    ジャーナル フリー
    〔目的〕脳血管障害者における起立負荷時の循環応答と頚動脈血流を観察し,起立負荷の安全性を確認することを目的としている.〔対象〕被験者は脳血管障害者男性10名,健常成人男性9名とした.〔方法〕測定項目は,血圧,心拍数,総頸動脈血流速度・血管径・血流量とし,臥位及び,立位(60度,10分)時の値を測定した.〔結果〕脳卒中群の平均血圧は起立1分時に低下したが,即時の心拍上昇を認め,その後血圧は回復した.頸動脈血流は,安静時,脳卒中群の血管径の拡大及び,血流速度の減少を示したが,起立後の血流量は健常群と差が認められなかった.〔結語〕脳血管障害者における起立時の循環応答と頸動脈血流の理解のもと,脳血管障害者に対する積極的な起立負荷を安全に遂行できることが確認された.
  • 丸山 裕司
    2013 年 28 巻 4 号 p. 447-450
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/10/08
    ジャーナル フリー
    〔目的〕山間部に在住する高齢者を対象に運動介入の効果について検討した.〔対象〕運動群は山間部在住の20名(70.6±6.4歳),対照群は山間部在住の11名(73.1±5.6歳),であった.〔方法〕運動群は3ヵ月間の運動教室を実施した.教室前後に体力測定,重心動揺度測定,日本語版Profile of Mood States 短縮版(以下,POMS短縮版)を両群に行った.また,生活習慣記録機を配布し,運動教室期間中の身体活動量を計測した.〔結果〕運動教室前後で運動群は,体力測定,重心動揺度測定,POMS短縮版において対照群よりも改善される項目が多かった.〔結語〕山間部での運動教室開催は対象者の心身の改善に有効であった.
  • 白岩 加代子, 長谷 いずみ, 田中 聡
    2013 年 28 巻 4 号 p. 451-455
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/10/08
    ジャーナル フリー
    〔目的〕運動負荷による唾液アミラーゼ反応について検討した.男女ともに同じ負荷で運動を行い,運動開始前,運動終了後,その後5分毎に35分後まで唾液アミラーゼ値の測定を行った.運動終了後の唾液アミラーゼ値は,男性群では有意な変化はみられなかったのに対し,女性群では運動開始前よりも有意に増加する結果が得られた.さらに運動終了後からの唾液アミラーゼ値の経時的変化では,男性群では特徴的な変化がみられなかったのに対し,女性群は,時間間隔には個人差がみられるものの二峰性を示す傾向がみられた.このことより,運動負荷に対する唾液アミラーゼ反応は男女で異なることが示された.
  • 鮫島 淳一, 松元 秀次, 小野田 哲也, 富岡 一俊, 加治 智和
    2013 年 28 巻 4 号 p. 457-462
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/10/08
    ジャーナル フリー
    〔目的〕大腿骨近位部骨折術後(術後)患者に対する体幹筋力増強練習の有効性を検討した.〔対象〕術後患者19名を,体幹筋力増強練習実施群(実施群)と対照群の2群に無作為に割り付けた.〔方法〕両群ともに通常の術後理学療法を行い,実施群は体幹筋力増強練習を追加した.介入前後で体幹筋力と10 m歩行時間,Functional Reach Test,Timed Up and Go Testを測定した.〔結果〕実施群は全ての測定項目が,対照群は10 m歩行時間が有意に改善した.介入前後における変化量の比較では,両群間で有意差は認められなかった.〔結語〕体幹筋力増強練習は,術後患者の体幹筋力や移動能力,バランス能力を改善できる可能性がある.
  • 藤井 貴允, 戸田 晴貴, 石川 博隆, 木藤 伸宏, 佐々木 久登
    2013 年 28 巻 4 号 p. 463-468
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/10/08
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究は,椅子からの立ち上がり動作(Sit-to-Stand, 以下STS)における加齢変化の影響を,個々の筋が発揮する筋活動と関節モーメントの関係から明らかすることを目的とした.〔対象〕対象はすべて女性で,若年者16名,高齢者16名とした.〔方法〕三次元動作解析装置と表面筋電図を用いてSTSを計測し,下肢の関節モーメントと積分筋電図を解析した.〔結果〕膝関節活動が主体であった高齢者は,最大股関節伸展モーメントよりも最大膝関節伸展モーメントの方が大きく,大殿筋下部線維,中殿筋の筋活動は有意に高値を示した.〔結語〕膝関節活動が主体であった高齢者は,股関節伸展モーメントが低下する傾向を示し,大殿筋下部線維・中殿筋の筋活動を高め,持続的に活動し,STSを遂行することが示唆された.
  • 渡邊 昌宏, 石塚 和重, 木下 裕光, 松井 康, 大圖 仁美, 大越 教夫
    2013 年 28 巻 4 号 p. 469-472
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/10/08
    ジャーナル フリー
    〔目的〕臨床実習へのスムーズな移行と学生教育の質の向上のため,学内臨床実習のシステムを構築し,学生の意識と傾向を調査した.〔対象〕筑波技術大学保健学部理学療法学専攻に在籍する計34名とした.〔方法〕学内臨床実習についてアンケート調査をおこなった.〔結果〕学内臨床実習参加希望に対しての有無と,コミュニケーション能力向上への努力,施設の認知度,実際の実習実施状況,在籍する学年には有意差が認められた.また,学内臨床実習の実施状況は学年間で有意差が認められた.〔結語〕学内臨床実習は,学生に対し学習に対する動機づけの一手段になり,臨床実習前に実技を学内で体得しようとする意識を高くする.
  • 大槻 桂右
    2013 年 28 巻 4 号 p. 473-476
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/10/08
    ジャーナル フリー
    〔目的〕肩関節拘縮を伴う高齢患者を対象に,上腕骨解剖頸軸回旋(anatomical neck of the humerus axis of circulation; ANHAC)を用いた関節可動域(range of motion; ROM)運動を施行し,即時的効果とその適応について検討した.〔対象〕平均年齢は86.5±7.1歳の15名(男性1名,女性14名)を対象とした.〔方法〕従来のROM運動とANHACを用いたROM運動を,それぞれ30回実施した. 肩甲骨固定時の肩関節屈曲,外転と肩甲骨非固定時の屈曲,外転,内転,外旋を測定した.〔結果〕従来のROM運動では,肩甲骨固定下における屈曲のみに有意な増加が認められた.ANHACを用いたROM運動では,肩甲骨固定または非固定時において,全測定項目で有意な増加が認められた.〔結語〕ANHACを用いたROM運動は肩ROMを改善しうる有効な一手段であると示唆された.
  • 眞鍋 克博, 前園 徹, 石川 剛, 坂田 俊一, 山本 澄子, 東畠 弘子
    2013 年 28 巻 4 号 p. 477-480
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/10/08
    ジャーナル フリー
    〔目的〕高齢片麻痺者の身体活動量について,生活活動度計を用いた計測結果と実動作との比較を行い妥当性について検証した.〔対象〕片麻痺上下肢ブルンストローム回復ステージ3の前期高齢者1名とした.〔方法〕被験者に検者の指示のもとで1200秒間,身体活動を行わせ,その間の生活活動度計による計測と連続的ビデオ撮影録画との間で判別された動作の時間を検討した.〔結果〕臥位と座位の非一致は当該対象時間全期間の2.9%以下,歩行は8.2%以下,車いす駆動は9.6%以下,立位は25.0%以下であった.〔結語〕本機器を用いた片麻痺者の身体活動時間の測定は,座位や立位の評価に問題が残されるものの,高齢片麻痺者に対する身体活動状況の評価手段として応用できる可能性が示唆された.
  • 樋口 謙次, 久保 晃, 下地 大輔, 齋藤 愛子, 宇都宮 保典, 安保 雅博
    2013 年 28 巻 4 号 p. 481-486
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/10/08
    ジャーナル フリー
    〔目的〕保存期慢性腎臓病(CKD)患者の運動の関心度や身体活動がQOLに影響を及ぼすかを検討することである.〔対象〕保存期CKD患者74症例.〔方法〕年齢,性別,就労,身体活動量(IPAC),QOL(SF-36),運動の関心度,腎機能を調査し,各項目との関連性について検討した.運動の関心度から運動実施群と非実施群及び運動基準2006に基づき高身体活動群と低身体活動群の2群に別け,年齢,性別,就労,身体活動量,腎機能,QOLを比較検討した.〔結果〕身体活動量,運動の関心度とQOLに有意な相関を認めなかった.一方,高身体活動群が年齢及び精神的側面QOLで有意に高値を示した.〔結語〕保存期CKD患者において,高い身体活動を維持することにより,QOLの精神面に影響を与えることが示唆された.
  • 與座 嘉康, 高田 和也, 福川 貴大, 前川 陽香, 三川 浩太郎
    2013 年 28 巻 4 号 p. 487-490
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/10/08
    ジャーナル フリー
    〔目的〕携帯型呼気ガス分析器(METAMAX 3B)の測定精度を,固定型呼気ガス分析器(AE-310S)との比較から検討することを目的とした.〔対象〕健常若年者23名.〔方法〕多段階運動負荷試験を2回実施し,VO2,VCO2,VEをMETAMAX 3BおよびAE-310Sにて各1回ずつ測定し,ICCおよびBland-Altman分析を用いて検討した.〔結果〕METAMAX 3BとAE-310SのICCは,VO2,VCO2,VEともに0.98であった.Bland-Altman分析ではVO2,VCO2は固定誤差のみ認め,VEは固定誤差と比例誤差が認められた.〔結語〕METAMAX 3BはAE-310Sとの比較において,非常に高いICCを認めるものの,若干の系統誤差が生じ得ることが示唆された.
  • 相馬 正之, 村田 伸, 甲斐 義浩, 中江 秀幸, 佐藤 洋介
    2013 年 28 巻 4 号 p. 491-494
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/10/08
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究は,足趾把持力発揮時の下腿筋の筋活動を明らかにし,足趾把持力に果たす下腿筋群の役割を検討した.〔対象〕健常成人女性19名を対象とした.〔方法〕足関節の底背屈時における最大随意等尺性収縮の筋活動量を測定し,足趾把持力発揮時の前脛骨筋,腓腹筋内側頭およびヒラメ筋の%IEMGを算出し,比較した.また,それらの%IEMGと足趾把持力の相関分析を行った.〔結果〕各筋の%IEMGは約30~45%程度認められた.また,足趾把持力と前脛骨筋の%IEMGの間に有意な正の相関が認められた.〔結語〕足趾把持力発揮時には,下腿筋群が同時性収縮を行い,特に前脛骨筋の筋収縮が重要な役割を果たしていることが示唆された.
  • 中村 睦美, 長谷川 恭一, 森田 真純, 木㔟 千代子, 山形 沙穂, 海老原 洋一, 浅川 育世, 水上 昌文
    2013 年 28 巻 4 号 p. 495-500
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/10/08
    ジャーナル フリー
    〔目的〕変形性膝関節症患者を対象に国際生活機能分類「活動・参加」の評価に,厚生労働省による「活動と参加の基準(暫定案)」に示された採点基準に加えて,新たに考案した補足指針を用いた際の検者間信頼性の向上の有無を検討することを目的とした.〔対象〕変形性膝関節症または人工膝関節置換術後の患者20名とした.〔方法〕理学療法士3名が,変形性関節症コアセットと暫定案に示された採点基準を用いて,補足指針使用の有無で検者間信頼性を比較検討した.〔結果〕補足指針を用いることにより検者間信頼性は高くなった.〔結語〕変形性膝関節症を対象に活動や参加を評価する際,補足指針を用い基準をより明確にすることにより信頼性が向上すると考えられる.
  • 吉田 忠義, 梁川 和也, 藤澤 宏幸
    2013 年 28 巻 4 号 p. 501-504
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/10/08
    ジャーナル フリー
    〔目的〕階段昇段における一足一段の単脚立脚相の時間違いが運動効率(NE)に与える影響を明らかにすることを目的とした.〔対象〕健常成人男性11名を対象とした.〔方法〕階段昇段は鉛直方向への速度3.5 m/minの一足一段として,時間条件を単脚立脚相のステップ頻度に自然に合わせた(普通)と単脚立脚相の時間を短くした昇段(短縮)の2条件とした.各条件での昇段時間は3分間で,酸素摂取量(VO2)及び心拍数を測定し,NEを算出した.VO2とNEに対して,時間条件の比較のために対応のあるt検定を行った.〔結果〕VO2は短縮が普通よりも低い値を示した.NEは短縮が普通よりも高い値を示した.〔結語〕階段昇段におけるNEは,単脚立脚相の時間を短縮することにより,改善できることが明らかになった.
  • 森下 元賀, 沼尾 拓, 山田 隆介
    2013 年 28 巻 4 号 p. 505-510
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/10/08
    ジャーナル フリー
    〔目的〕脳卒中片麻痺患者に対し,非麻痺側膝関節を固定した歩行練習による歩行パターンの即時的変化を検証した.〔対象〕自立あるいは監視歩行レベルの脳卒中片麻痺患者6名とした.〔方法〕非麻痺側膝関節を装具で伸展位に固定し,歩行練習を行った.計測は装具装着前後の通常歩行で,2次元の動作解析および歩行周期の測定を行った.〔結果〕麻痺側の単脚支持時間は装具歩行後に有意な増加が見られた.5名は対象者で立脚期の麻痺側膝関節の最大伸展角度が増加し,1名は減少した.〔結語〕非麻痺側膝関節を固定した歩行は,固定側が振り出しづらくなった結果,歩行中の麻痺側下肢の運動パターンの変化を引き起こすことが示唆された.
  • 渡邊 愛記, 長山 洋史, 川口 敬之, 福田 倫也, 阿久津 二夫, 神田 直
    2013 年 28 巻 4 号 p. 511-516
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/10/08
    ジャーナル フリー
    〔目的〕患者のADLや介護者の介護状況について,介護保険導入前後の変化を明らかにすることである.〔対象〕在宅脳卒中患者と介護者79例.〔方法〕ADL,サービス利用状況,介護状況,介護負担感について,アンケート調査を実施した.〔結果〕介護保険導入前後で比較すると,患者の年齢や介護者である配偶者の年齢は高齢化していた.ADL,リハ実施,主たる介護者,介護状況,介護負担感に差はなかった.サービス内容は変化していた.〔結語〕在宅患者は介護保険を利用し,介護を必要としながらも,その生活を継続することができていた.しかし,介護者の介護負担感は大きいことから,家族介護者の支援システムを確立すべき必要がある.
  • 鈴木 加奈子, 塩島 直路
    2013 年 28 巻 4 号 p. 517-521
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/10/08
    ジャーナル フリー
    〔目的〕両上肢前方挙上時における体幹前方移動が肩甲上腕関節角度,肩甲骨回旋角度に及ぼす影響を検討した.〔対象〕健常成人15名とした.〔方法〕両上肢最大前方挙上位での肩甲上腕関節角度,肩甲骨回旋角度,両上肢前方挙上時の体幹観察点のx座標を計測した.両上肢前方挙上時の体幹観察点の動きと,肩甲上腕関節,肩甲骨回旋角度の相関を分析した.〔結果〕両上肢前方挙上150°~最大前方挙上位での体幹観察点の動きと,両上肢最大前方挙上位での肩甲上腕関節角度および肩甲骨回旋角度との間に有意な相関がみられた.〔結語〕両上肢最大前方挙上位での肩甲上腕関節角度と肩甲骨回旋角度には,体幹の前方移動が影響を及ぼす.
  • 折笠 佑太, 成田 崇矢, 坂崎 理史, 山本 貴大
    2013 年 28 巻 4 号 p. 523-526
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/10/08
    ジャーナル フリー
    〔目的〕大学野球選手における練習頻度の低下が身体機能に及ぼす影響を明らかにする.〔対象〕東都5部リーグに所属する大学野球部員13名.〔方法〕身体機能は組成(体重,体脂肪率,骨格筋量),筋力(膝関節伸展・屈曲,肩関節外旋・内旋),柔軟性(肩関節外旋・内旋,股関節屈曲・外転・内旋,胸腰部回旋可動域,指椎間距離)を測定し,1年後の変化を追った.また,練習メニュー,ストレッチ実施状況についてアンケート調査を実施した.〔結果〕1年後肩関節外旋筋力が増加し,股関節内旋,胸腰部回旋可動域,指椎間距離が低下した.〔結語〕練習頻度が低下した野球選手において,筋力は維持されるが柔軟性の低下が起こることが示唆された.
  • 越野 裕太, 山中 正紀, 武田 直樹
    2013 年 28 巻 4 号 p. 527-532
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/10/08
    ジャーナル フリー
    〔目的〕片脚着地動作における接地前の足関節周囲筋活動と接地時の足関節肢位との関係を調べることとした.〔対象〕健常者9名18脚とした.〔方法〕30 cm台からの片脚動作中の足関節背屈および内反角度と,長腓骨筋(PL),前脛骨筋(TA),腓腹筋内側頭(GM)の筋活動を記録した.得られた計測値から接地前100 ms間の各筋電積分値と,足関節の底背屈筋,内外反筋活動比を算出した.〔結果]TAの接地前筋活動と接地時の大きな内反角度との間に,GMの接地前筋活動と接地時の足関節背屈角度との間に,また,PL,GMに対するTAの相対的な筋活動と接地時の内反角度との間にそれぞれ有意な正の相関を認めた.〔結語〕着地動作における接地前の足関節周囲筋活動量と筋活動比は接地時の足関節肢位に関連することが示唆された.
  • 城野 靖朋, 金井 秀作, 後藤 拓也, 原田 亮, 藤高 祐太, 谷出 康士, 長谷川 正哉, 大塚 彰
    2013 年 28 巻 4 号 p. 533-537
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/10/08
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究の目的は,運動課題と認知課題の二重課題練習において,注意に関する指示の影響を明らかにすることである.〔対象〕健常成人60名を対象とした.〔方法〕二重課題練習で注意を運動課題に向ける条件,認知課題に向ける条件,注意の指示を与えず自由選択できる条件,練習を実施しない条件を設定し,練習前後の各課題パフォーマンスを評価した.〔結果〕dual-taskの運動課題パフォーマンスおよび高難易度運動課題パフォーマンスは,練習期の注意配分を自由に選択できる条件で向上した.〔結語〕健常成人を対象にした本研究では,注意の指示を与えない二重課題練習が,運動課題パフォーマンス向上に効果的である可能性が示唆された.
  • 垣内 優芳, 森 明子
    2013 年 28 巻 4 号 p. 539-542
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/10/08
    ジャーナル フリー
    〔目的〕頸部屈曲時における頭部角度の違いが随意的咳嗽力へ及ぼす影響を検討すること.〔対象〕健常成人女性15名.〔方法〕頭部角度は屈曲位,中間位,伸展位の3条件とし,頸部角度を30°屈曲位に統一した.各条件において咳嗽時最大呼気流速(cough peak flow:CPF),最長発声持続時間(maximum phonation time:MPT)を測定し,条件間で比較した.〔結果〕条件間でCPF,MPTともに有意差は見られなかった.頭部屈曲位では有意でないものの他の2条件に比べCPFが低かった.頭部伸展位では,CPFとMPTに相関が認められた.〔結語〕誤嚥予防肢位としての頸部屈曲時の咳嗽力は,頭部角度によって影響を受ける可能性が示唆された.
  • 木村 公喜, 辻 聡司, 寺尾 恭徳
    2013 年 28 巻 4 号 p. 543-546
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/10/08
    ジャーナル フリー
    〔目的〕週に1回2分間の綱渡り練習が,綱渡り距離,総軌跡長,単位軌跡長,単位面積軌跡長,外周面積に及ぼす影響を検討した.〔対象〕男性12人(平均年齢23.8歳)とした.〔方法〕バランス練習は,長さ400 cmの綱を高さ30 cmに設置し,2分間渡りつづける動作を週に1回6週間実施した.練習期間の前後に,綱渡り距離と開眼と閉眼において両足,片足立ちについて重心動揺を測定し比較検討した.〔結果〕綱渡り練習期間前後の綱渡り距離は,有意に増加した.バランス測定結果は,右足開眼立ちで,総軌跡長,単位軌跡長,および単位面積軌跡長が,右足閉眼立ちは,総軌跡長と単位軌跡長が,左足立ちでは,開眼立ちにおいて,単位面積軌跡長が有意に減少した.〔結語〕2分間の綱渡り練習を週に1回6週間の実施によりバランス因子が向上した.
  • 相澤 高治, 松田 雅弘
    2013 年 28 巻 4 号 p. 547-550
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/10/08
    ジャーナル フリー
    〔目的〕今回の研究目的は,切り返し動作を含むジャンプ動作と股関節筋力および膝関節筋力との関連性を検討した.〔対象〕下肢に整形外科疾患のない健常成人32名(平均年齢21.05歳)とし,被験者には事前に研究内容の説明を行い,同意を得た.〔方法〕等速性筋力測定器(BIODEX)を用いて股関節・膝関節の屈曲・伸展筋力を3回計測した.ジャンプ動作は利き足片脚で6 m HOPジャンプ,8字走ジャンプ,スラロームジャンプの3種類とし,そのゴールへの到達時間を測定した.筋力とジャンプの測定値をPearsonの相関を用いて検討した.〔結果〕股関節・膝関節筋力と3種類のジャンプに有意な相関が認められた.〔結語〕直線のジャンプ動作よりも切り替えしの多いジャンプ動作で筋力との関連があり,特に膝関節屈曲筋力との関連が最もみられた.
  • 中野 良哉
    2013 年 28 巻 4 号 p. 551-556
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/10/08
    ジャーナル フリー
    〔目的〕学習動機づけと進路選択時の進路自己決定性,学生の進路決定への父母の関わり方との関連を検討した.〔対象〕理学療法学科学生(137名)を対象とした.〔方法〕質問紙法にて学習動機づけと進路自己決定性,進路決定時の親の関わり方を評価し,それぞれの関係について分析を行った.〔結果〕学習動機づけと進路自己決定性との間に有意な相関が示された.進路決定時の親の関わり方として,応援・相互交渉型は親主導型よりも学生の進路自己決定性が高く,同一化動機づけが有意に高い結果となった.〔結語〕進路決定の際に,親が学生を励ましつつ,考えの違いを明確にする関わりをもつことが,学生の進路自己決定性,自律的な動機づけの高さと関係することが示された.
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