2013 年 28 巻 4 号 p. 491-494
〔目的〕本研究は,足趾把持力発揮時の下腿筋の筋活動を明らかにし,足趾把持力に果たす下腿筋群の役割を検討した.〔対象〕健常成人女性19名を対象とした.〔方法〕足関節の底背屈時における最大随意等尺性収縮の筋活動量を測定し,足趾把持力発揮時の前脛骨筋,腓腹筋内側頭およびヒラメ筋の%IEMGを算出し,比較した.また,それらの%IEMGと足趾把持力の相関分析を行った.〔結果〕各筋の%IEMGは約30~45%程度認められた.また,足趾把持力と前脛骨筋の%IEMGの間に有意な正の相関が認められた.〔結語〕足趾把持力発揮時には,下腿筋群が同時性収縮を行い,特に前脛骨筋の筋収縮が重要な役割を果たしていることが示唆された.