2014 年 29 巻 2 号 p. 271-275
〔目的〕超音波照射が疼痛閾値に与える影響を明らかにすることとした.〔対象〕健常成人男性10名とした.〔方法〕施行条件を,(1)超音波照射あり(US群),(2)超音波照射なし(placebo群),(3)安静(control群)とし,これらの間で疼痛閾値の経時的変化を比較した.超音波は,周波数3 MHz,強度1.0 W/cm2,照射時間率100%,照射時間10分間にて照射した.測定項目は,痛覚閾値,圧痛閾値,それぞれの閾値測定時のvisual analog scale (VAS),および皮膚表面温度とした.〔結果〕US群がplacebo群とcontrol群に比べ照射後20分間において痛覚閾値,圧痛閾値,皮膚表面温度が高かった.〔結語〕超音波は,照射後20分間において疼痛閾値を上昇させる持続効果があることが示唆される.