2014 年 29 巻 5 号 p. 689-692
〔目的〕高強度レジスタンストレーニング前後の循環動態を把握するために,高強度の運動前後の一回拍出量,末梢血管抵抗,圧受容器反射感受性の変化を明らかにすることとした.〔対象〕運動習慣の無い健常男性11名とした.〔方法〕臥位下肢伸展挙上にて最大随意筋力の80%の負荷で10回実施する運動課題を設定し,運動前後の循環動態を分析し,運動前後の一回拍出量,末梢血管抵抗,圧受容器反射感受性を比較検討した.〔結果〕収縮期血圧とLF/HFに運動後の有意な低下を,圧受容体反射感受性に有意な上昇が認められた.全末梢血管抵抗には,運動後1~2分での有意な低下がみられた.〔結語〕今後は,TPRの低下による末梢血管の弛緩作用と循環血液量の増加が認められ,交感神経活動亢進が持続しない運動負荷強度の設定が必要である.