抄録
〔目的〕de Quervain病症例に対する前腕回内制限に着目したリハビリテーションにおいて良好な結果が得られたため,その有効性を報告する.〔対象〕ADL,仕事による右母指橈背側痛を主訴とする40歳代女性とした.〔方法〕右手関節に対して疼痛検査,整形外科テスト,ROM測定,手根骨アーチ評価を行い,その結果に基づく,右前腕回内制限に対するアプローチを実施した.〔結果〕前腕回内可動域改善,手根骨アーチ是正により主訴改善がみられた.〔結語〕de Quervain病症例に対するリハビリテーションでは局所に対する評価に加え,他の上肢関節に対する評価およびアプローチを行う必要性がある.