2015 年 30 巻 2 号 p. 297-300
〔目的〕病院職員の腰痛の実態とその関連要因を明らかにすることとした.〔対象〕整形外科病院に勤務する職員40人とした.〔方法〕腰痛の有無,腰痛特異的QOL尺度,職種,BMI,下肢伸展挙上角度,指床間距離,股関節前面筋のタイトネス(トーマス法変法),踵殿部距離,体幹屈曲・伸展筋力,腰痛の予後に対する認知(Back Beliefs Questionnaire: BBQ)を測定した.〔結果〕22名(55%)に腰痛を認めた.非腰痛群はBBQ得点が高かった.多重ロジスティック回帰分析の結果,BBQ得点が高いこと,職業分類で看護師以外であること,体幹伸展筋力が高いことが非腰痛群の特徴であった.〔結語〕病院職員の腰痛には,腰痛の予後に対する認知,職業分類,体幹伸展筋力が関連することが示唆された.