2019 年 34 巻 3 号 p. 309-312
〔目的〕定常負荷運動後のクーリングダウン(CD)が自律神経に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした.〔対象と方法〕健常成人男性10名を対象とし,心肺運動負荷試験により嫌気性代謝閾値(AT)を決定し,後日,ATでの定常負荷運動20分間実施後,AT強度の50%(AT50)もしくは75%(AT75)のCD,静止座位を10分間行わせた.心電図より高周波成分(HF)と低周波成分(LF)を算出した.〔結果〕CD終了前,AT75では運動前に比べ,HFが有意に減少し,LF/HFの有意な増加が認められた.一方,静止座位とAT50ではHFおよびLF/HFは運動前と比較して有意な差は認められなかった.〔結語〕AT75と比べて,AT50は自律神経系の安静時レベルへの回復が速いことが示唆された.