2020 年 35 巻 2 号 p. 295-300
〔目的〕目的は歩行中の咄嗟の方向転換動作における高齢者のステップ戦略を明らかにすることである.〔対象と方法〕対象は独歩が自立した要支援1・2の女性20名とした.課題は定常歩行中に左右を指示して素早く90°の方向転換を行うこととし,spin turnかstep turnを判定した.さらに歩行速度,筋力,関節可動域,バランス能力を計測した.〔結果〕利き足への方向転換はspin turnが9名,step turnが11名,非利き足へはそれぞれ8名と12名であった.片脚立位保持時間はstep turn群の方が有意に低下しており,その他の項目に有意差は見出されなかった.〔結語〕歩行中の咄嗟の方向転換動作において,片脚立位保持時間の低下した高齢者はstep turnを選択する傾向がある.