2022 年 37 巻 1 号 p. 27-31
〔目的〕幼児の運動器機能不全の実態を把握するため,事前動作練習の有無が運動器機能検査結果に与える影響について検討した.〔対象と方法〕幼児182名を検査対象として,しゃがみ込み,立位体前屈,および片足立ちのそれぞれの動作において,事前動作練習の有無によって対照群および学習群の2群に分類した.そして,群間および群内の学年間で動作可否の割合を比較した.〔結果〕しゃがみ込みおよび立位体前屈では,年少・年中児で事前動作練習の学習効果が有意に認められ,90%以上の遂行率であった.片足立ちは,両群ともに年長児ほど可能群の割合が有意に大きかった.〔結語〕幼児に対する事前動作練習の実施は,運動器機能不全の実態を正確に捉えるうえで重要である.