2024 年 39 巻 1 号 p. 1-5
〔目的〕広背筋を椎骨部,腸骨部,肋骨部線維に分け,運動変化に伴う筋活動の相違を検討した.〔対象と方法〕健常男性10名を対象とし,課題は肩関節伸展,肩関節内旋,肩甲帯下制,胸腰部側屈の各肢位を保持させた.各肢位で筋電図を測定し,端座位保持時の筋活動を基準に筋電図積分値相対値を検討した.〔結果〕椎骨部線維は,肩関節伸展課題にて他の課題と比較して増大を認めた.腸骨部線維は,肩関節伸展,内旋課題と比較して肩甲帯下制課題,さらに肩関節内旋課題と比較して胸腰部側屈課題にて増大を認めた.肋骨部線維は,肩甲帯下制課題にて他の課題と比較して増大を認めた.〔結語〕椎骨部線維は肩関節伸展,肋骨部と腸骨部線維は肩甲帯下制に加え,腸骨部線維は,胸腰部の側屈への関与が大きかった.