2025 年 40 巻 3 号 p. 115-119
〔目的〕経頭蓋直流電気刺激(tDCS)が下肢筋力と歩行へ与える影響の検討を行った.〔対象と方法〕対象は健常若年男性16名とした.シャムtDCSと陽極tDCSの2条件で同じ運動課題を実施した後,2条件とも右等尺性下肢closed kinetic chain(CKC)最大伸展筋力計測と歩行分析を行った.〔結果〕右等尺性下肢CKC最大伸展筋力は,シャムtDCS群に比べ陽極tDCS群が有意に高値を示した.歩行分析は,分析項目全てにおいて有意差は認められなかった.〔結語〕一次運動野へのtDCSは,随意運動課題を併用することで大脳皮質興奮性をより促進させる可能性が考えられる.