2025 年 40 巻 6 号 p. 236-242
〔目的〕腱板断裂患者における術前の胸椎および肩甲骨アライメントと術後疼痛との関連性について検証した.〔対象と方法〕対象は,鏡視下腱板修復術予定の患者32名とした.調査項目は,基本情報,術前および術後12週時における胸椎後弯角,肩甲骨アライメント,安静時痛,夜間時痛,肩挙上時痛のVisual Analogue Scale(VAS)とした.術前から術後12週にかけての各疼痛VASの推移,術後12週時の肩挙上時痛VASに関連する術前アライメントを検討した.〔結果〕肩挙上時痛VASは,術前に比べ術後12週時で有意に低下していた.術後12週時の肩挙上時痛VASに関連する術前因子は胸椎後弯角であった.〔結語〕術後の肩挙上時痛は,術前の胸椎後弯角の増大と関連していた.