理学療法のための運動生理
Print ISSN : 0912-7100
片脚起立時での足趾屈筋群の役割について
山口 光国入谷 誠大野 範夫永井 聡山嵜 勉福井 勉
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1989 年 4 巻 2 号 p. 65-69

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抄録

下肢に既往のない健常な成人12名について足趾屈筋群筋力及び足関節底屈筋群筋力が、片脚起立時の重心動揺にどのような影響を与えるか検討した。各筋力、重心動揺は身体的特徴及び生活環境により異なる可能性を考慮し、それぞれ左右の比に換算し検討した。
その結果、足関節底屈筋群と重心動揺との間には有意な関係は認められなかった。足趾屈筋群と重心動揺との間では有意な関係を認め、特に前後方向との関係が有意であった。
今回我々の研究は、片脚起立という静的場面ではあるものの、歩行中の一相であると考えると、足趾屈筋群役割は、歩行時の安定化、特に前後方向への安定化に関与すると思われる。

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© 理学療法科学学会
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