抄録
脚長差は下肢骨長の短縮、股関節脱臼などの関節変形のほかに骨盤傾斜、脊柱側彎などによっても左右差が起こる。脚長差の発生は直立姿勢に左右屈曲を招き、力学的な不良姿勢を作る一要素になることが考えられる。
本研究は過去2.5年間に通院した患者を対象に背臥位での脚長差を計測して、脚長差の発生頻度と要因に関して検討を加えた。その結果、発生頻度は極めて高く、右短脚が多く、加齢により左短脚が増加し、両側が短脚の傾向も見られた。要因については形態の異変による脚長差より、骨盤と下肢の筋や関節の拘縮、亜脱臼などによる構築上の異変が多くの脚長差を招いていた。更に腹臥位による背面姿勢分類も試みた。