1993 年 8 巻 2 号 p. 111-114
本研究の目的は、歩行速度を最も速くする歩幅を探ることと歩幅を変化させたときのエネルギー消費量を確認することである。最大速度となる歩幅の検出には健常男子10名(mean age 23.1歳,平均身長172.7cm)を対象とした。10m直線路を、(1)歩き易い歩幅(free step) (2)歩幅を短く(short step) (3)歩幅を長く(long step)の課題に従わせて全速力で歩行させた。歩行速度は、free stepが最大値であった。%歩幅(step length/height)と速度との関係では、歩幅を長くすると速度も早くなるが、身長の約70%以上では速度は一定であった。以上のことより最も早い速度で歩行するためには、身長の約70%の歩幅が適することが確認できた。一方同じ速度であっても歩幅を大きくすればするほど酸素摂取量は増加し移動の経済性としては効率の悪いことが確認できた。