抄録
構造方程式モデリング (SEM) によって,DAIpo (付着珪藻群集に基づく有機汚濁指数) の水質指標としての特徴を解明した。琵琶湖に直接流入する農業幹線排水路で事例研究を行った。2005年11月と2006年5月に,水深30cmの場所に約1ヶ月設置した煉瓦の上から珪藻群落の試料を採集した。DAIpo の値は27.6-53.9の範囲にあり,多くの地点がβ-中腐水性であると判定された。SEMによって,DAIpoで指標される水質は複数の要因の総合であり,単一の水質項目には還元できないことが示された。高いNO2-N およびPO4-P 濃度,あるいは低い溶存酸素が,DAIpoを引き下げる要因になったのに対して,高い電気伝導度およびNO3-N 濃度はDAIpoを引き下げなかったことが示された。5月に11月よりも有意に高いDAIpoが観測された。この結果は,従来の報告通り5月の降雨時に集中的な栄養塩負荷が起こっていたとしても,DAIpoには指標されなかったことを示している。