陸水学雑誌
Online ISSN : 1882-4897
Print ISSN : 0021-5104
ISSN-L : 0021-5104
総説
気候変動と陸水の温度および氷況の変化
新井 正
著者情報
キーワード: 気候変動, 湖沼, 河川, 水温, 凍結
ジャーナル フリー

2009 年 70 巻 2 号 p. 99-116

詳細
抄録
 気候は多くの点で陸水に影響を及ぼすが,気候変動の影響を最も強く受けるのは水温と凍結である。水温と凍結は地球温暖化と気候変動の指標でもあり,近年これらの記録が環境問題として分析され注目を集めるようになった。本稿では湖沼,河川,湧水の温度と凍結に関する文献を要約する。
 20世紀後半において,湖沼の平均水温は世界の多くの地域で毎年0.01℃ないし0.06℃の割合で上昇した。河川水温にも温暖化傾向が認められる。湖沼,河川の結氷日は最近の100年間に平均約6日遅くなり,解氷日も約6日早くなった。温暖化の長期傾向に加えて、エルニーニョ南方振動や北大西洋振動などに対応する中・短期の変動が見出されている。地下水と湧水温度にも上昇傾向が見られる。
著者関連情報
© 2009 日本陸水学会
前の記事 次の記事
feedback
Top