純水の透明度は,透明度の解析に必要な数値であるが,実測が困難であり,理論的に普遍的な数値も得られていない。筆者が先に報告した計算画像による推計値は,水分子による光の散乱を一次で近似したもので精度の改善が課題であった。そこで,水の分子による光の散乱を n次で近似する一般式を求め,現実的な時間内に計算できた二次と三次の近似を用いて推計精度を改善した。
三次の近似で計算したカラー画像を目視して得た透明度(CISDs)は,光の入射角0, 10, 20, …, 80, 89 度について94.2 ± 2.1 m~114 ± 6.1 mの範囲,同様にモノクロ画像を目視して得た透明度(MISDs)は,83.5 ± 1.5 m~106 ± 4.4 mの範囲で,ほぼ収束したものと考えられた。大部分の入射角でCISDs がMISDsを上回り,コントラストよりも色相の差で判定するのが,筆者の目視特性であった。色差とコントラスト閾値による透明度の自動判定の精度は,CISDs及びMISDsに対する相対誤差の二乗平均平方根が,それぞれ6.1 %及び3.0 %であった。