日本臨床外科医学会雑誌
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癌原発臓器診断の困難な症例の臨床病理学的検討
癌原発組織と癌転移組織の細胞蛋白質の分析
貞広 荘太郎高見 博山高 謙一奥田 康一高橋 哲也小平 進阿部 令彦津村 整
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1988 年 49 巻 2 号 p. 225-230

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抄録
手術・生検を施行したにもかかわらず癌原発臓器が不明であった症例を検討した.手術時に癌原発臓器が不明であった症例,手術時と剖検時とで癌原発臓器の診断が異なっていた症例は,剖検された癌患者932例中20例(2.1%)であった.剖検により癌原発臓器と診断されたのは,肺が6例,胃が5例,肝が3例,卵巣が2例,前立腺が2例であった.肺癌ではいずれも原発巣が転移巣と診断されていたのに対し,胃癌ではいずれも転移巣が原発巣と診断されていた.
一方,正常大腸,正常肝,大腸癌,肝細胞癌,大腸癌の肝転移組織の細胞蛋白質を2次元電気泳動し分析したところ,癌組織の細胞蛋白質は癌が発生した原発臓器の特徴の一部を有し,転移した組織においてもその特徴の一部を保存している可能性が示唆された.したがって,細胞蛋白質の分析が癌原発臓器診断の補助手段となり得る可能性が示された.
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